「サーバントリーダー」、「サーバントリーダシップ」という言葉はご存知でしょうか?世の中の動きの変化が激しい近年、リーダーの在り方として注目されています。
ちなみに、僕は最近知りました。会社でサーバントリーダーシップのセミナーが開催されたので聴講しました。聴講していると、「あれ!?これ普段から何気なくやってたことかも!?」なんて思うことが多々ありました。で、更に考えを深めてみると、HSPの気質と、サーバントリーダーの気質は共通点があると感じたわけです。
この記事では、サーバントリーダーとは何かを簡単に説明して、HSPの気質と比較していこうと思います。
ちなみに、僕はHSPであることで、苦しいことも多々ありますが、根本的にはHSPで良かったと思っています。HSPって繊細ですが、人間らしくて良くにないですか!?
サーバントリーダーシップのセミナーを聞いて、僕は更に好きになれて、「このままで良いんだ」ということが実感できました。この記事を読んで一人でもそういう思いになってくれたら嬉しいです。
サーバントリーダーシップとは?
サーバントリーダーシップの意味
「servant」をそのまま日本語訳すると「使用人」「召使」。そのまま訳だと、ネガティブな言葉ですね。「メンバーのために奉仕するリーダー」わかりやすく言うと、縁の下の力持ちという感じになるかもしれません。
一般的なイメージのリーダー像は、極端な例だと、トップダウンで支持や命令を下す人だったり、メンバーの意見を聞くリーダーであれば、話を聞きつつ、チームを先導してく感じです。
ですが、サーバントリーダーは仲間が動きやすい環境を作ったり、困っていることを解決して進みやすくすることに注力します。メンバーを支えることで、チームとしてのパフォーマンスが上がることを目指します。メンバーに奉仕する形のリーダーシップですが、言いなりになるわけではありません。チームが一丸となる適切な目標を掲げて、同じベクトルで進む環境を作るということも求められます。
サーバントリーダーシップが注目されている理由
サーバントリーダーシップが昨今注目されている理由は、大きく分けると下記に2点だと思っています。
- 変化の激しい世の中の動きに対応するため(社会環境)
- 働き方改革などにより、個人の多様性が認めることが重要であるため(個人環境)
誰もが感じている通り、現在は変化の激しい世の中です。続々と新しい商品やサービスが発表されたり、あらゆる研究が進みに、今まで正しいと言われていたことが、ひっくり返ることすらあります。そんなスピード感のある世の中に対して、とても一人のリーダーで全てを回すことはできません。一人で対応とすれば、ある個所は早く対応できるかもしれませんが、対応が遅れる箇所が出ることは容易に想像できます。
働き方改革などで、個人の多様性を重視されています。昔のように深夜まで残業するということも、できない世の中ですし、そのような働き方をしたくない人も増えています。このような中でリーダーが仕事を回すためには、仕事を分散して進めることが大事です。分散をさせたは良いけど、想定するアウトプットが出ないということにならないために、個々の力を十分に発揮させていく必要があります。
また、働き方の自由度が上がっていることもあり、トップダウンで支持をしても付いてこない人が多くなってきている事実もあります。
サーバントリーダーシップの10の特徴
1.傾聴
まずは、メンバーの声に耳を傾けることが必要です。メンバーが抱えている課題や不安などを聞かないと、メンバーを的確に支えることができません。これも単純に話を聞くだけではなく、相手の立場になって、「何を求めているか」を引き出すことも必要になってきます。
また、そのメンバーからの声に加えて、「自分は何をしたいか」という自分の声への傾聴も重要です。メンバーと自分の気持ちが合わさった対応策は、メンバーを前進させます。
2.共感
傾聴に続く特徴です。聞いたことに対して共感できることも重要です。せっかく悩みなどを話してくれたとしても、それに対して共感してもらえないと、メンバーの気持ちも遠ざかってしまいます。リーダーになると上からの視点が強くなり、メンバーの立場を忘れてしまうこともあります。メンバーの目線まで下げて共感することができます。
3.癒やし
メンバーは現場の最前線で動いてることも多く、緊張やストレスが高い状態が続くと、パフォーマンスも発揮できません。そんなメンバーに対しては、声をかけたりして時には緊張をほどく時間など「癒やし」を与えます。これにより、長期的・継続的にパフォーマンスを上げます。
4.気づき
物事をしっかり観察して、本質に気づく能力です。様々な事象に対する気づきも重要ですが、メンバーの細かな変化や、自分への気づきや、メンバーに対して気づきを与えることも大事なことです。
5.説得
パフォーマンスが上がった状態で取り組んでもら為には、何事も納得してもらうことが必要です。時には、意見の食い違いが発生することもありますが、お互いの落としどころを見つけて合意を得ながら進めていく能力が必要です。
6.概念化
大きな夢やビジョナリーなコンセプトを持ち、それを相手にもわかりやすく伝える能力です。
7.先見力
現在の出来事を過去の出来事と照らし合わせて、そこから直感的に将来の出来事を予想できる能力。奉仕型のリーダーシップとはいえ、メンバーを正しい方向に導いてくためには重要な能力です
8.執事役
自分が利益を得るよりも、相手に利益を与えることに喜びを感じたり、一歩引くことを心得る能力です。執事のように、先回りして喜んでもらえる環境を作ることで、メンバーはスムーズに事を進めることができるでしょう。
9.人々の成長に関わる
一人ひとりの資質と特性を把握し、個々の成長を促すことに深くコミットする能力です。メンバーが秘めている可能性や価値を理解し、信じることも必要になってきます。
10.コミュニティづくり
メンバーに対する愛情と癒しを感じさせる環境を構築し、大きく成長できるコミュニティを作り出す能力です。メンバー間でも癒しや切磋琢磨できるコミュニティにするため、メンバー同士の関係にも気を使います。
HSPの気質をおさらい
HSPな人の特徴
HSPの人の特徴や、チェック項目などは色々なサイトで紹介されています。一般的に良く掲載されている特徴は下記です。
▼ 考え方が複雑で、深く考えてから行動する
・1聞くとそこから10のことを想像し、考えを広げられる。
・調べ物や考え事などに対して深く掘り下げ知識を深める。
・他人のお世辞や建前の言葉をすぐに見抜いてしまう。
・物事を慎重にあれこれ考え、始めるまでに時間がかかる。
・その場限りの快楽よりも、生き方や哲学的なものごとに興味がある。
▼ 刺激に敏感で疲れやすい
・人混みや、大きな音が苦手である。
・人と会ったり話していると気疲れしやすく帰宅すると、どっと疲れる。
・アートや音楽、映画などの芸術作品に触れるのが好き、また感動する。
・人の何気ないような言葉に傷つきやすく、忘れられない。
・些細なことなのに過剰なほど、驚いてしまう。
▼ 人の気持ちに振り回されやすかったり、または共感しやすい
・他人が怒られていると自分のことのように感じ、傷ついたりする。
・悲しい映画や本などの登場人物に感情移入し、泣くことがある。
・人の仕草や目線、声などを読み取り、機嫌や感じていることがわかる。
・言葉を話せない乳幼児や動物の気持ちも察することができる。
▼ 五感を筆頭にあらゆる感覚がするどい
・冷蔵庫など生活家電の機械音、時計の音が気になってしまう。
・強い光や日光のまぶしさなどが苦手である。
・近くにいる人の体臭やタバコの臭いに敏感で、気分が悪くなる。
・カフェインや添加物に敏感に反応し、体調を崩しやすい。
・肌着のタグなど触感が敏感で、苦手な素材は我慢できないほど気になる。
・第六感や直感といわれるものがはたらき、また当たる。
次の章では、サーバントリーダーシップに求められる気質にこれらが当てはまるか確認していきたいと思います。
サーバントリーダーシップに求められる能力をHSPの気質に当てはめてみる
結論から言ってしまうと、「共感」と「気づき」はメチャクチャ当てはまります。まぁ、HSPの繊細さんは「共感力の高さ」と「気が付きすぎる」ところで、苦しくなってしまうことが多いので当たり前かもしれませんが(笑)
その他だと、「傾聴」「癒し」「先見力」という項目も当てはまりました。
では、サーバントリーダーシップシップに求めらる気質にどれが当てはまるか一つずつ見ていきたいと思います。
傾聴
- 1聞くとそこから10のことを想像し、考えを広げられる。
- 他人のお世辞や建前の言葉をすぐに見抜いてしまう。
- 人と会ったり話していると気疲れしやすく帰宅すると、どっと疲れる。
- 人の何気ないような言葉に傷つきやすく、忘れられない。
傾聴する時に大事なことは、相手の気持ちになって考え、「なぜそういう考えや、課題を感じているか」ということを気にかける事だと感じています。そういう思いで話を聞いている姿勢は、相手にも伝わります。HSPの気質として、常にそれをやっている(むしろやりすぎている)ので、自然に備わっていることが多いのではと思っています。
共感
- 1聞くとそこから10のことを想像し、考えを広げられる。
- 人混みや、大きな音が苦手である。
- アートや音楽、映画などの芸術作品に触れるのが好き、また感動する。
- 人の何気ないような言葉に傷つきやすく、忘れられない。
- 些細なことなのに過剰なほど、驚いてしまう。
- 他人が怒られていると自分のことのように感じ、傷ついたりする。
- 悲しい映画や本などの登場人物に感情移入し、泣くことがある。
- 言葉を話せない乳幼児や動物の気持ちも察することができる。
傾聴同様、共感も自然に備わっていることが多いと思っています。仕事をしている近くのメンバーだけでなく、乳幼児や動物の気持ちも察してしまうくらいですから。。
アートや音楽など芸術に触れることが好きであるがゆえに、更に感性を高め共感力も高まるのかなと思います。
癒やし
- 1聞くとそこから10のことを想像し、考えを広げられる。
- 人と会ったり話していると気疲れしやすく帰宅すると、どっと疲れる。
「癒やし」を与えるためには、相手の事を深く理解する必要があると思っています。深く共感してもらえると、まだ何も解決はしていないのに、それだけで満たされた気持ちになった経験のある人もいるのではないでしょうか。傾聴力、共感力が自然と備わっていると、癒やしも自然と行っている時は多いかなと思います。
気づき
- 他人のお世辞や建前の言葉をすぐに見抜いてしまう。
- 人混みや、大きな音が苦手である。
- 人と会ったり話していると気疲れしやすく帰宅すると、どっと疲れる。
- 人の仕草や目線、声などを読み取り、機嫌や感じていることがわかる。
- 言葉を話せない乳幼児や動物の気持ちも察することができる。
- 冷蔵庫など生活家電の機械音、時計の音が気になってしまう。
- 近くにいる人の体臭やタバコの臭いに敏感で、気分が悪くなる。
- 肌着のタグなど触感が敏感で、苦手な素材は我慢できないほど気になる。
- 第六感や直感といわれるものがはたらき、また当たる。
敏感であるが故に、色々な事に気づいてしまうところがHSPはあります。「気が付きすぎて疲れる。繊細さんの本」があるくらいですからね。
説得
- 調べ物や考え事などに対して深く掘り下げ知識を深める。
- 物事を慎重にあれこれ考え、始めるまでに時間がかかる。
人に「納得」してもらったり、「説得」するためには、深い思慮が必要です。深く考えているからこそ、その考えに納得し(自分が考えていることよりも、深く考えられていて優れていれば納得や説得はスムーズだと思います)、行動を促すことができます。
概念化
- その場限りの快楽よりも、生き方や哲学的なものごとに興味がある。
- アートや音楽、映画などの芸術作品に触れるのが好き、また感動する。
ビジョナリーなコンセプトを語るためには、自分にも柱が必要です。その柱となるのは、生き方や哲学でしょう。これらが好きなHSPは概念化が得意な傾向があると思っています。アートや音楽、映画などに触れているため、教養(リベラルアーツ)も高い人が多いと思います。
先見力
- 第六感や直感といわれるものがはたらき、また当たる。
いろいろな事を敏感に感じ取れるHSPは直感がさえます。直感で感じたものを、過去の事象などと照らし合わせると、やっぱり直感が正しかったなんてことも多いのではないでしょうか?
執事役
具体的な項目は挙げていませんが、今までの項目は執事役を支えるベースの能力だと思っています。共感したり、先見力があるからこそ、相手のニーズを満たしたり、相手が喜んでくれるために、自分が頑張れる力になるのかなと思っています。
人々の成長に関わる
これも執事役同様に、相手の事を知っているからこそ、成長してもらいたいし、サポートしたいという思いが出てくるのだと思います。
コミュニティづくり
- 物事を慎重にあれこれ考え、始めるまでに時間がかかる。
- その場限りの快楽よりも、生き方や哲学的なものごとに興味がある。
コミュニティを作るための準備もしっかり行います。どういう雰囲気の場にするか、誰をコミュニティに加えるかなど、気づきなどから情報を整理します。それから、概念化することで、コミュニティを創り盛り上げていくことができます。
マッピングしてみた時のメモ
実際に今までのことを整理した時のメモを参考までに記載しておきます。
HSPの特徴を表す項目が、能力に関するところなので、1~7に集まっている傾向があると感じました。8以降は7までの能力を使って、できることに近いのかなと思いました。
まとめ
今回の記事では、サーバントリーダの特性とHSPの特性についてまとめました。やはりといった感じではありますが、「傾聴」「共感」「気づき」は通ずるものがあると感じました。むしろ、HSPの人はただでさえ、これらの振る舞いをしています。振舞うように気にすると逆に疲れてしまう可能性があるので、手を抜くくらいでちょうど良いのかもしれません。
これらのことから、僕はサーバントリーダーにはHSPは向いていると思いました。HSPだと気づかれしやすいところもありますが、上手く付き合っていくことで、メンバーを幸せにできるサーバントリーダーになれることを信じています。
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