HSS型HSPのザッキーです。好奇心や新しいこと、刺激を求めてしまうのに、その後疲れが出て、エネルギーがなくなる、ちょっと面倒な体質です。
人がパフォーマンスを発揮できる状況は、人それぞれだと感じています。追い込まれた方が力を発揮できる人や、高い目標を掲げられた方が力を発揮できる人、ゆとりを持った方が力を発揮できる人などなど・・性格などにもよってくると思います。
繊細で、様々な事に気づき、周りからの刺激にも弱いHSPは、6割の仕事量やタスク量が丁度良いと思っています。10割での仕事はなおのこと、8割の状態でも黄色信号だと思った方が良いのではないでしょうか!?
その理由を、実体験も踏まえてお伝えできればと思います。最後に、今僕が考えられる対策を記載していますが、まだまだ改善の余地などはあると思っています。(実行するのも結構大変ですし)
この記事で、今の仕事の状態を見直すきっかけになり、心やエネルギーが保てれば嬉しいです。
6割が丁度良い理由
時間をかけて集中して取り込める
これは、HSPの「DOSE(ダズ)」のうちの、【Depth of processing:考え方が複雑で、深く考えてから行動する】に関することだと思っています。HSPは(特に物事のとりかかり)非HSPよりも時間がかかる傾向があります。物事を表面上だけでなく、しっかり理解し、考えてから取り掛かるかかるからです。
やるべきことが複数あると、本来しっかり考えて取り組むことを得意としているのに、それができずに中途半端になりがちになってしまいます。一つ一つ確実に仕事を終えて、成果を出すためには、抱えている仕事量を調整すると、一つの事に集中できる時間が増えて、思考が遮られずにパフォーマンスを発揮できるでしょう。
タイトなスケジュール・マルチタスクが苦手
HSPはタイトなスケジュールで仕事をせかされたり、マルチタスクで複数の並行して進めることが苦手です。これは「DOSE」の【Empathy and emotional responsiveness:人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい】に関するのかもしれません。タイトなスケジュールを要求するということは、相手も焦っている事、その気持ちを感じ取って、自分にも焦りが伝搬しちゃう時があります。また、複数の仕事を依頼されると、(特に依頼主が複数の場合)できるだけ早く対応したいという思いが強くなり、優先順位をつけるのが難しくなります。余裕があれば、一つずつこなせるのですが、複数の案件が重なるとパフォーマンスを発揮できなくなります。
様々な事に気づいて、仕事を増やしてしまう
敏感な繊細さんHSPは、アンテナが高く細かいところにも気が付きやすいです。言われたことをやるだけというよりも、言われたことを順序立てて考えるため、その時の抜け漏れに気づきやすかったりします。自分に与えられたタスクに対して、抜けもれなくできることは良いことなんですが、他の人のタスクに対してまで、気になってしまったり、こういうサポートをした方がスムーズに事が進むんじゃないだろうかと感じて動いてしまうので、与えられているタスク以上に、自分で仕事を増やしてまう傾向があります。
雑務なども含めて、お願いされることが多い
気遣い、配慮ができるHSPは、雑務などの細々した業務やお願いをされることが多いです。ちょっとした雑務も関係者や、周りの環境に応じて気遣いをしながら事を進められるため、雑務をお願いする方も安心感があります。一度、お願いして安心感があると、「またこれもお願い」という思いが出てくるのも自然なことです。雑務が多くなり、気にせず断れれば良いのですが、断ることも苦手(エネルギーがいる)なHSPは細々したものが積み重なる傾向があります。
時間が空いていれば、業務改善する工夫をする
仕事が積まれていなくて、手が空くと暇を持て余したり、サボったり、ゆっくり仕事をしたりする人もいますが、基本的に真面目なHSPは時間が空いていれば、より業務が効率よく回るための工夫を考えたり、より完成度をあげようということを自然に行います。これが結果的には、6割くらいになるように仕事を任せたとしても、中長期的にみれば、与えられた仕事以上の成果をもたらしてくれます。
以上のような理由から、HSPは8割とか仕事が積まれていて、突発的な業務が割り込んでくると、10割を超えてキャパオーバーになり、逆にパフォーマンスが下がる現象が発生します。与える仕事は6割に抑えて、後は本人の自主性を尊重した時間としておくことが、HSPのパフォーマンスを最大限に発揮できるのではないかと思っています。
実体験を紹介
ここからは、僕が実際にパフォーマンスが上がっているときと、詰め込みすぎてパフォーマンスが下がったと感じていることについて実体験をもとに紹介します。
3つくらいを抱えているくらいが丁度良い
パフォーマンスが出ているときは、
- 自分の担当の開発(設計・実装)
- 委託会社の管理(といっても、細かい指示出しは不要)
- 部署の特許活動の推進
がメインの仕事の時でした。おそらくこれが6割くらいの状態だったと思います。この時には、業務を行いつつ、今後、効率よく開発を進めていくための施策を検討して実行していく余裕もありましたし、特許活動を推進するためにはどうするか(現状の課題は何かなど)を考えていく余裕もありました。よって、与えられた業務が多いということはないですが、成果は挙げられていました。
一方、パフォーマンスが下がったと思った時は、
- 自分の担当の開発(設計や要件整理などが2,3案件)
- 委託会社の管理(QAの回答や、方針決めや、レビューなどそこそこ)
- 部署の特許活動推進
- 顧客からの問い合わせ対応
- 仕様などを決めるための他チーム間との調整
を進めていた時です。リーダーからすると、実装などが無い分、並列してできるだろうという思いがあったと思いますが、設計のための調整やら、委託会社の管理が重く(HSPなので気にしすぎて、仕事を増やしているのかもしれないけど)、仕事をこなすので精一杯という感じでした。
振り返ると、ある程度は進んでいるものの、集中して取り組めている時間がすくないので、どれも少し中途半端になりがちでパフォーマンスは落ちていたと思っています。(そして何より精神的にきつかった)
締め切りが厳しく、同時期が多いとどっちつかずになる
複数の仕事を受け持っていると、その分、締め切りの時期がどうしても被る事がでてきます。あらかじめ進めていた業務の締め切りが3ヵ月後であるが、突発的に入ってきた仕事は2か月後とかだと、どっちもやらなきゃ・・という気持ちで焦ってしまいます。依頼された業務だけならまだしも、雑務なども入ってくると、想定以上に作業時間を捻出できず、どんどん期限が迫ってきて、更に焦りや不安が膨れ上がってしまうという悪循環になることがあります。
忙しいのに、リーダーに報告すると自分に返ってくる
プロジェクトの業務はメンバー全員が忙しい状態であるにも関わらず、〇〇を優先的にやっておかないと、後で突けが回るとか、取り返しがつかなくなるかも!?なんて事に気づくことがあります。気づかなかったフリをしちゃおうかなぁって思う自分も一瞬出てきますが、やっぱり気になるのでリーダーに報告します。すると、自分が背景なども一番わかっているから、、といことで、仕事が自分に戻ってくるわけです。余裕があれば、問題なく対応できますが、既にカツカツな状態だと厳しいなぁと思いつつ、引き受けてしまい、だんだん苦しくなってくるという状況になります。
感じが良く、頼まれやすいので細かい雑務が増える
自分の事よりも、他人の事を気遣うことが多いので、相手が忙しくて頼んできているんだろうなぁと思うと、雑務を引き受けることが多いです。前述のとおり、雑務も丁寧にこなすので、依頼する側も安心感があります。
現状、在宅勤務が多いので、他のメンバーがどれくらい雑務をしているかは見えにくところではありますが、僕のところには、メールやチャットでちょいちょい軽いお願いが色々なところから来ていました。それをこなしていると、あっという間に半日とか経ってしまうという時もあります。。
対策
僕が実際に実践できている事、これから実践していきたいことも含めて対策を3つ紹介します。
自分の仕事量を数値化して、一定以上は受けない
キャパオーバーにならないために、自分の仕事量を可能な限り数値化しておくと良いでしょう。今まで経験のある仕事の延長上なら20%くらい。今まで経験のない仕事で関係者が多そうな場合は30%くらい・・など、数値化できるまである程度の経験は必要かもしれませんが、最初は少し多めでもいいと思うので、どれくらいの割合の業務量になっているのか目安を持つようにすることが大事だと思います。
スケジュールとして計画(この仕事は10日でできる)ということではなく、自分が抱えているのが「合計何%」なのかが大事かなと思っています。スケジュールだと、空いていれば大丈夫かも!?と思って詰め込んでしまいがちなのでHSPです。詰め込んでしまうといつの間にか、キャパギリギリということになりかねませんし、合計何%っていう指標だと、複数の仕事で締め切りがバラバラでも、単一の指標なので管理が楽だからです。
数値化していれば、新しく仕事をお願いされたときに、引き受けない目安ができます。よくやってしまうのが、あとどれくらい引き受けられるのかが曖昧であるため、大丈夫だろうと思って引き受けているといつの間にかキャパオーバーっていうことです。自分なりの指標があれば、断る時にも、「自分としては70%の業務量になっているので、これ以上引き受けるとリスクがあります」という風にいう事ができます。(時には、「その仕事で70%?」とか、言ってくる人もいますが、自分がどう感じているかは自分にしかわからないので、相手から見たコメント左右されなくて良いと思います)
雑務を触れる環境を作る
他人思いなHSPは可能であるなら、頼まれた雑務を無下に断りたくないです。(断ればいいじゃんって言う人もいますが、それが軽くできたら、苦労しないのがHSPなので・・)なので、可能な限り引き受けつつも、自分の負担を減らすためには、雑務を触れる環境(サポートしてくれる人)を作ることだと思います。
もちろん、サポートしてくれる人が一人だと、その人に頼むが今度は申し訳なくなってくるので、雑務の種類によってサポートしてくれる人を複数人と関係を築いておくことが大事かと思います。こういう雑務はこの人っていうのがある程度決まってくると、頼みやすくなって雑務を触れるスピードも上がってきて、負担が減るのではないかなと思います。
細かいところを気づいて実行するところでポイントを稼ぐ
今まで述べてきたように、6割くらいの業務状況だったら、もっと仕事積んでいいでしょ!?っていう感じでドンドン依頼してくる人もいます。それに、6割の業務だと成果もそんなに出していないと思われて、査定など評価にかかわる可能性もでてきます。もちろん健康第一で楽しく働けることが一番なので、評価は二の次ですが、評価も気になるところです。
そのためにも、細かいところや、業務改善など中長期的に必要なところをゆとりがある範囲内で仕掛けておくことをお勧めします。多くの人は、現状の業務をこなすことに注力しているので、中長期的な改善は評価されることが多いと思っています(会社によっても異なるとは思いますが)なので、場合によっては、トントンもしくはそれ以上の成果として見られる場合もあるでしょう。
まとめ
HSPがパフォーマンスを発揮できるのは、6割の業務量に抑えた時だと思っています。ただしこれは、依頼された定型の業務であって、自主的に行うことなどは別です。少しゆとりをもって、働くことでキャパオーバーになり、焦りや不安などを感じすぎることなく、集中して業務ができると思っています。
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